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Jリーグの新たな潮流に?サガン鳥栖のバルセロナ式セットプレー守備

time 2016/03/25

Jリーグの新たな潮流に?サガン鳥栖のバルセロナ式セットプレー守備

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豊田と谷口がストーン

フィッカデンティを監督に迎えたサガン鳥栖が、コーナーキック守備で面白い戦術をとっている。2節の鹿島戦と4節の横浜戦。相手コーナーキック時の、ターゲットへのマークを確認する。

vs鹿島 

昌子源→キム・ミンヒョク
植田直通→チェ・ソングン
金崎夢生→鎌田大地
山本脩斗→岡本知剛
赤﨑秀平→藤田優人

vs横浜 

中澤佑二→キム・ミンヒョク
ファビオ→チェ・ソングン
富樫敬真→富山貴光
下平匠→鎌田大地
中町公祐→藤田優人

長身選手の多い鳥栖だが、鹿島戦では昌子に対するキム・ミンヒョク、赤﨑に対する藤田を除く3つのマッチアップにおいてミスマッチが起きている。そして横浜戦でも中澤に対するキム・ミンヒョク、中町に対する藤田を除く3つのマッチアップにおいてミスマッチが起きている。なぜこうなるかというと、鳥栖の長身選手二人がマークについていないからだ。

つまり185cmの豊田陽平と182cmの谷口博之は特定のマークをもたず、ストーンとしてボールを跳ね返す役割を果たしている。マークとゾーンの併用である。それもしばしば見られる、ゾーンを基本とする中でのマンマーク(強力なターゲットにのみマークを付ける)ではなく、マークを基本とする中で守備側の最も跳ね返せる二人がゾーンで守るという、あまり見ない形だ。

鳥栖と鹿島のコーナー守備

例えばこの鹿島vs鳥栖での、両チームのコーナーキック守備を見てみる。まずは鹿島。ターゲットへのマークは以下の通り。

豊田陽平→植田直通
キム・ミンヒョク→昌子源
谷口博之→山本脩斗
岡田翔平(早坂良太)→西大伍
鎌田大地→柴崎岳

そしてストーンは赤﨑秀平、小笠原満男、遠藤康の3人。図のようなポジションをとる。

image

ストーンの数はチームにもよるが、どのチームもこれと似たようなものだろう。マークで守るならば、相手の一番のターゲットにはこちらの一番強い選手を、というふうになる。長身のFWがニアに立つことも多い。

一方で鳥栖の守備。ターゲットのマークをもう一度載せておく。

昌子源→キム・ミンヒョク
植田直通→チェ・ソングン
金崎夢生→鎌田大地
山本脩斗→岡本知剛
赤﨑秀平→藤田優人

ストーンは豊田陽平、谷口博之、キム・ミヌ(あるいは吉田豊)の三人。

image

長身FWである豊田に加え、守備陣の中で空中戦が最も強いと思われる谷口がストーンになる。マークで守るチームにおいて、CBがストーンになる例はほとんどないはずだ。ただし1節の福岡戦では、谷口が最大のターゲットであるウェリントンをマークし、チェ・ソングンがマークを持たずに中央を守った。

昨シーズンの鳥栖と東京

昨シーズンの2nd5節鹿島戦と17節FC東京戦の映像を確認したが、いずれも鳥栖は部分的なマークはあったもののコーナーキックをゾーンで守っていた。つまりこの方法で守り始めたのは今シーズンからとなる。

そして昨季フィッカデンティが率いたFC東京の映像も確認してみた。2nd14節湘南戦ではポストのそばに徳永悠平が、その隣に高橋秀人が置かれており、16節の柏戦ではニアに徳永、中央に高橋が配置されていた。いずれも森重真人、丸山祐一、前田遼一という空中戦上位三人はマークについていた。

バルセロナ式

サッカーライター・清水英斗氏によると、スペインのバルセロナが今季の鳥栖に似た方法でコーナーキックを守っている。

バルセロナは空中戦に強いFWルイス・スアレスがニアを、チーム最長身のCBジェラール・ピケが中央を守り、その他の小柄な選手たちが相手の長身選手たちを密着マークする。小柄な選手が多いバルセロナはこのようにしてコーナーキックからの失点を減らしている。つまり鳥栖ではスアレスの位置を豊田、ピケの位置を谷口が守っていることになる。

フィッカデンティがどのような意図でこの守備陣形をとっているかは不明だが、バルセロナの守備をヒントにこの形を生み出した可能性が高い。そしてヒントを得たタイミングは昨年12月に日本で開催されたクラブワールドカップではないだろうか。相手のコーナーキックをことごとく跳ね返すピケを見て、自分のチームにこの手法を導入することを考えたというのは、十分にあり得る話だ。

現時点では無失点

このバルセロナ式守備戦術だが、今季の鳥栖はここまで4試合を終えてコーナーキックから1失点している。だが福岡戦でウェリントンにゴールを許した場面では、マーカーは例外的に谷口だった。そのため空中戦の強い二人をストーンに置いた形では、2試合(3節甲府戦では甲府にコーナーキックなし)で無失点ということになる。

もっとも、この2試合でも鳥栖は相手に5回しかコーナーキックを与えていないため、評価を下すのは時期尚早だろう。ちなみに5回のうち2回を谷口が、1回を豊田が跳ね返しており、シュートは打たせていない。

真価が問われるのはこれからの数試合。フィッカデンティとサガン鳥栖の新たな取り組みは非常に興味深いものだ。コーナーキックからの鳥栖の失点が減るようであれば、この守備戦術がJリーグの新たな潮流になるかもしれない。


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ブログ管理人

猫シティ

猫シティ

さいたま在住の大学生。多数のレッズサポと少数の大宮サポに囲まれながらも、どのクラブも贔屓しない「無党派層」であり続けている。INUUNITEDのライバルとして猫シティを名乗っている。

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